Demons Rootsとは魔族少女の軌跡!敗北者たちはエロく格好良く世界征服!

「弱い奴らが、カリスマがある支配者に率いられて、強大な相手をぶっ飛ばす!」
このキャッチコピーを魅力的に感じたら、Demons Rootsをどうぞ。
魔族の金髪少女、デスポリュカに導かれて、人間の奴隷や、魔族の生き残りたちが動き出す……。

エロ抜きのエロゲー

『Demons Roots』では、18禁描写をなくせます。
一見すると、「カレーを注文して、ルーを省く」という愚行に思えますが……。

「R-18スキップ」を搭載

この同人エロゲーは、Hをスキップできます。
ただし、一部のエリアについても、除外されることに……。

『Demons Roots』は、エロのために物語があるのではなく、必要なエログロを添えているだけ。

人権がない奴隷は、上の画像のように、死ぬまでの重労働や、ストレス発散の道具。
魔族少女のデスポリュカに手を差し伸べられ、それぞれの考え、あるいは、意志に基づいて、立ち上がります。

男の娘もいますが、ギャグ要員に近く、「パーティーメンバーは、主人公のデスポリュカと運命を共にする仲間」という感じ。

基本的に一本道で、「決められた通りに、ギミックを動かしていく」となります。
和製RPGにおける、フィールドの演出が凝っている部類。

群像劇で、主人公と仲間だけではなく、敵役、モブに至るまで、生き生きしています。

女主人公が仲間を集めて成り上がる

魔族少女デスポリュカは、まさに『Demons Roots』です。
絶滅寸前になった魔族――冒頭の子供パートで、簡単な紹介あり――を復興させるため、1,000年ぶりに闇の世界から、最後の戦いを挑みます。

人間の中でも、奴隷と呼ばれる存在。
彼らが生き地獄になっていたことで、デスポリュカは救世主に……。

これは「種の存続」をかけた、妥協を許さない戦争。
デスポリュカは、数えるほどの一族を率いて、後に引けません。
引いたら、魔族が滅びます。

つまり、デスポリュカは武威を示すどころか、実際に制圧するのです。

娯楽の紙芝居でも、「魔族は、許しがたい敵」と紹介しました。
仲間や家族を殺されるから、復讐することの連鎖。

戦術が必要になるバトル

力押しではなく、相手の弱点を突くことが大事。
【シンボルエンカウント】は、相手の後ろから当たることで、有利にバトルを開始!

ターン制で、お互いに攻撃をしていくから、「じっくり考えたい」という方にも、オススメ。
魔族少女が王者の貫禄を見せつつ、バトル中でもパーティの切り替えを行いつつ、全員を活躍させられます。

『Demons Roots』のバトルBGMは、『戦国ランス』や『ママトト』を手掛けたShade氏が担当しています。
雑魚、ボス戦、ラストバトルなど、お金を出して聴きたい名曲で、さらなる興奮です。

周回などで楽しめる【ゲームモード】と、敵をすぐ倒せる【シネマティックモード】の2つ。
前者を選んでも、普通に楽しめる難易度。

ゲームモードでは、隠されたアイテムの入手や、キャラの成長がないと、ボス戦がキツくなります。
すぐに勝てない場合は、相手の弱点を調べつつ、攻撃の順番も考えましょう。

Demons Roots

魔族と奴隷による下剋上

人間に恨まれている魔族に、選択の余地はありません。
彼らの領土を奪い、同朋の数を増やし、人間の中から味方を作るのです。

絶滅寸前の魔族少女が支配する

後がない魔族は、片っ端から侵攻。
周囲は敵ばかりで、最初のボヘロス王国から、自分たちの勢力圏にします。

探索によって各種イベントや、到着した時点では倒せない強敵と遭遇。
もちろん、アイテムも入手。

『Demons Roots』は、国を攻め落とす話だから、相手も死に物狂い。
群がる雑魚、立ちはだかるボスを倒せば、新たな支配領域をゲットです。

こちらのレベルが低ければ、防衛している奴らに太刀打ちできず、返り討ちにも……。

前述しましたが、「新しいマップは隅々まで調べること」をオススメします。
なぜなら、色々な行動を行い、パーティーを強くしても、戦闘が楽しいから。

単純に、「いったん、制圧したから」という話ではなく、それぞれのキャラが織りなす人間ドラマでも、状況が変化していきます。

人間の奴隷を救うことで味方に

魔族は、すでに破れた種族。
デスポリュカがいかに優れていようと、数の暴力には敵いません。

けれど、付け入る隙はあります。

それは、人間の国は、多くの奴隷がいること。
彼らを救い出せば、魔族に力を貸す人も見つけられます。

外道……というか、覇道としての征服を行い、最終的には帝国を打倒。
バトル漫画のように、「どんどん、強敵が登場!」という、熱いストーリーです。

主人公はデスポリュカですが、一時的に他のキャラも操作します。
なぜなら、『Demons Roots』は、複雑な人間関係になっているから……。

一筋縄ではいかない群像劇

現実だったら、周りの国が同盟を結んで、一斉に攻めてきます。
しかし、これはゲームだから、上手く手加減されたまま。

それでも、魔族はギリギリの状態で、情勢は二転三転。

様々な国を攻めて、同時に「ドラゴンがいる洞窟」といった、すぐには対応できない場所を避けていく。
序盤を過ぎれば、自由度が広がっていくため、一本道のストーリーでも、なかなかに冒険感があります。

一番の問題は、「魔族と人間が別の種族で、いずれは雌雄を決すること」です。
そもそも、人間に負けたから、魔族が絶滅寸前になったわけで……。

イベントで親しみが湧く仲間も、共通の敵がいなくなったら、どう考えるやら。
その緊張感は、『Demons Roots』だけ。

この同人エロゲは、とある作品の前日譚で、そちらを知れば、より考えさせられます。

前作の結末へと向かっていく

『King Exit』は、同じサークルの作品で、『Demons Roots』のアフターストーリーです。
プレイの有無によって、だいぶ印象が変わります。

10年後の「King Exit」に続く

英雄ゲオルイースは、人類を救った。
世界を蹂躙した魔族は滅び、平和な日々を取り戻すことに成功。

3年後に、ゲオルイースは地下監獄へ収監され、夢と現のあいだを彷徨いつつ、真実と自由を追い求めるのです。

制作されたのは、『King Exit』、『Demons Roots』の順番です。
しかし、時系列は真逆。

言い換えれば、『Demons Roots』が終わった後には、『King Exit』が待っています。
深爪貴族さまは、「確定した未来を変えられるのか?」という点も、プレイヤーの刺激に!

「10年後に滅びた魔族は、やっぱり助からないのか?」
「人間と魔族の和解は?」

多くの疑問を抱えたまま、プレイヤーは主人公の魔族少女たちを操作。
歴史に埋もれた真実を掘り返していきます。

King Exit

魔族は本当に滅ぼされるのか?

『Demons Roots』は、まだ処女のキャラの場合に発生する、【救出イベント】もあります。
侵略者である以上、彼らに敵は多く、その救出に失敗した場合には悲惨なHです。

上の画像2つで分かるように、この同人エロゲは明暗がハッキリしています。
ひたすらに穢され、痛めつけられるだけのイベントは、本当に救いなし。
けれど、馬鹿をするだけのHには、苦笑をしても、鬱展開とは無縁。

一見すると、全く無関係です。
しかし、実は密接にリンクしており、プレイするほど、その対比に考えさせられます。

『King Exit』では、「魔族はどこまでも人の尊厳を破壊する存在で、必ず滅ぼすべき」と定義。
実際に多くの被害者が出て、人類サイドでは、何があっても認められない相手です。

その魔族の少女であるデスポリュカは、勝つほどに選択肢が増えていき、やがて「人間と和解するのか?」という質問を突きつけられます。

女主人公バージョンの「ランス」

エロゲーの金字塔である、『ランス』シリーズ。
今でも考えさせられることが多く、『Demons Roots』は、そのハードモードです。

ランスは男で、その本質は自分の子供を残すこと。
つまり、女とヤッて、孕ませれば、保護する対象。

これは非常に分かりやすく、なおかつ、シンプルに味方にできる理屈。
自分の子供ができれば、守ってくれる限り、女は男に従います。

ところが、『Demons Roots』のデスポリュカは、女です。
さらに魔族のリーダーで、人類サイドとの和解は難しい。

この場合でランスと同じことをすれば、「自分の体を差し出して、相手の子供を孕む」という、完全に屈服した状態へ……。

さらに、本来なら抑止力となる勢力が失われており、魔族の本質は残酷。
破竹の勢いで勝利を積み上げても、英雄王ランスのように、「俺様に任せろ!」とは言えません。

エロは明暗がはっきり分かれる

戦闘中のエロがなく、イベントHとして、両極端。
「どちらがお好みか?」となるものの、その裏では「魔族と人間の在り方」にも繋がっています。

明るく馬鹿なエロであっさり貫通

ある程度のプレイで、【ドレミファッキングダム】に入国できます。

名前の通りに、お馬鹿なテーマパーク。
陽キャの大学生たちが酒の勢いで考えようなプレイが多く、貴重なアイテムである【精霊石】を使ったガチャによるHイベントを見て、【ファッコイン】を入手していく流れ。

ファッコインは、ここの施設だけで使えて、「攻略に役立つ情報」などの特典と交換。

特定の処女キャラがいる場合、【トップオブチェリー】で処女喪失。
前述した救出イベントを消せるものの、この施設は非処女でも利用可能。
自力で【回想】を埋めたい方は、注意しましょう。

【R-18スキップ】をONにした場合、このキングダムに入国できず。
仕方ないね!

フェチ系のHが目立ち、キャラの恰好もふざけたコスチュームに……。

捕まってのエロは凄惨の一言

『Demons Roots』で注意したいのは、【BADENDモード】。
こちらは、シンガナ蛮勇諸国への侵攻スタートぐらいで解禁され、バトルに負けるか、自首した場合に発生します。

敗北Hではなく、完全にボロボロにされた後で、専用マップを彷徨います。
上の画像で分かる通り、【ドレミファッキングダム】の明るく、お馬鹿なエロとは正反対。

救いがないものの、ゲームとしては、「隠し要素のヒント」を入手する場。
「負けたら、こうなっちゃうよ?」と分かって、気合いを入れて本編を進められます。

ちなみに、このBADENDモードは、一時的なもの。
特定の行動によって、本編に復帰できます。

悲惨すぎますが、人間が住んでいる世界の奴隷は、このような扱い。
魔族少女デスポリュカも、いずれ問われます。

「お前はいったい、誰の味方だ?」と……。

色々なHを含めて1つの物語

『King Exit』を知っていれば、どちらのHでも、考えさせられます。
最終的には、選ぶしかありません。

「人間を対等な存在として、認めるのか?」
その質問に答えたら、デスポリュカの旅は終わるでしょう。

味方となった人間も、「種族が違うから」と滅ぼすか、やはり奴隷として扱えば、帝国の代わりが生まれるだけ。
しかし、それが魔族のためとなれば……。

『Demons Roots』は、文字通りに、「魔族の在り方」を問う内容。
キャラありきで、Hのためにキャラがいるわけでは、ありません。

種の存続がかかった戦い

『Demons Roots』は、同人エロゲーというよりも、大河ドラマ。
赤裸々に描いた結果として、エログロも混じった感じです。

「前作プレイの有無」で印象が変わる

『King Exit』があるだけに、制作者、プレイヤーのどちらにも、「結論ありき」の物語。
これは、かなり重いです。

当然ながら、『Demons Roots』に『King Exit』へ繋がる伏線があって、どんどん深くなります。

この路線は、まさに攻め。
同人エロゲと言えども、「前作を否定する」、あるいは、「今作を台無しにする」といった愚行をすれば、ファンを失うだけ。

特に、30時間を超える、長編RPGであれば。

登場するキャラに感情移入するだけに、その積み重ねを壊せば、他の作品も買わず。
そのリスクを背負っている以上、「どのように、折り合いをつけるのか?」が、最大の見所。

同人エロゲーだから実現できた世界観

このストーリーをWEB小説で出したら、「大人気になるけど、18禁でしか発表できず」というオチです。
ラノベの18禁だと、読者数が一気に減ってしまい、アニメ化は難しいでしょう。

けれど、同人エロゲーとしては、最高です!

女主人公にしたことで、どこまでも生々しい展開へ。
前作と比べて、仲間同士の掛け合いが増えており、良い意味で賑やか。

ゲーム制作のノウハウが蓄積されたことで、同じシステムを改善。
それだけに、『Demons Roots』のキャラに愛着が湧き、前作の『King Exit』に対して、「うーん?」と首を捻ってしまう傾向です。

「それだけ、面白いゲームを作っている」という話でも、ありますけど……。

仲間同士の交流や裏切りによる驚き

エロスキップを実装したように、『Demons Roots』のHは、必要な分だけ。
全ては、「魔族と人間による、種の存続をかけた闘争」のために。

デスポリュカは、魔族の少女です。
ゆえに、支配者として、決断を下さなければいけません。

どこまでも残酷で、どこまでも続く世界。
許されず、許さないから、10年後の『King Exit』です。

生死を共にした仲間といえども、人間であれば、敵に回るかも?
「奴隷の解放」という大義によって統率された状態は、いずれ崩れます。

地図を塗り替えていく少女は、最終的に、どのような光景を見るのでしょうか?