あの名作、『満車率300%』の続編が、ついに登場!
妻子がいる、イケボで、優しそうなメガネ男は、悪の道を歩み出す。
満車率300% 弐の車内にあるのは、現代社会の闇……。
俺たちの日常は満員電車の中
朝の爽やかな空気と、その正反対である、憂鬱な通勤。
主人公の万能倉は、プロフェッサーの手解きで、自分も狩人に……。
多くの人生を詰め込んだ箱庭のバトル
朝の満員電車は、都心に住むことで、味わえます。
前作の「逆本 禁八郎」が、疑いようもなく成功者で、半ば趣味でスケベに興じていたのに対して、今作の「万能倉」は、わりとヤバい精神のまま、電車バトルに勤しむのです。
……「やっていることは、どちらも同じ」と、突っ込んではいけません。
リアルタイムの3Dキャラを触っていく流れは、『満車率300%』からの踏襲。
よく動き、よく喋って、他の乗客からの視線ビームで、緊張感たっぷり。
この手のゲームでは珍しく、「個別ルートで、ヒロインを攻略していく」という流れ。
相変わらず「社会の弱者」を描くのが上手い
『満車率300% 弐』は、主人公とヒロインたちが、どいつも限界。
現代社会に押し潰された、弱者です。
この『満車率300%』シリーズは、元々、ヤバいネタを扱っています。
誰もが見て見ぬ振りか、知っても「可哀想……」で終わってしまう、消耗品たちの哀歌。
主人公の万能倉は、イケボの若い男ですが、妻子に無視され、静かに狂った人間です。
後半で詳しく、解説します。
話を戻すと、『満車率300% 弐』では、その色が濃くなりました。
そのうち破滅する女たちが、自棄になった主人公に触れられ、現実と折り合いをつけるか、もしくは、快楽墜ちへ……。
SNSという無法地帯を信用する女ども
リアリティを追求している、『満車率300% 弐』。
それだけに、ちょっと触られた程度で、「この人、やりました!」とは、ならず。
察した時点で、咳払いや、足を踏むことで、威嚇してきます。
それぞれの最寄り駅に着けば、降車しますし、キャラによって、腕力も違うのです。
いっぽうで、ヒロイン達は、SNSのメッセージを妄信♪
ゲームだから仕方ないのですが、リアルでも、これぐらい馬鹿な女は、ウヨウヨいそう……。
スパイのように、SNSのアカウントを抜き取り、そちらで思考を誘導していくのが、基本的な攻略方法です。
前作から正統進化のシステム
各ヒロインを小さな幸せへ導くか? それとも、救いのない痴女へ貶めるか?
その没入感は最高で、「あれ? もう終わったんだ」と思えるほど。
Hシーンは構内を追いかけた先
今回は、【膣キュン状態】のヒロインを追いかけ、駅の構内で追い詰めたうえでの、Hイベント!
かなり凝った仕様で、「車内で、こんなプレイは無理だろ?」の突っ込みとは、無縁に。
ただし、前作の『満車率300%』とは異なり、車内のフェラ、挿入では、ハイリスク!
基本的に、乗っている間にポロンすれば、まず捕まります。
いや、当たり前すぎて、「何を言っているんだ、お前は?」という話ですけど……。
商業ブランドと並ぶクオリティは、今回も健在!
値段もフルプライスで、数ある電車ゲーの中でも、その作り込みは、トップクラスです。
何たって、3D空間♪
装備の収集によって金が重要に!
【レベル制のスキル】から、【装備による能力の底上げ】へ!
地味な変化ですが、これによって、お金の重要性がアップしました。
前作で、「せっかく稼いでも、お金の使い道が……」と、贅沢な悩みに。
『満車率300% 弐』は、その反省を活かして、「服、お触りのテク、責める際のアダルトグッズ、回復アイテムの購入」と、RPGに仕上げました。
SNSに、電車バトルの成果をアップするだけで、【投げ銭】をゲット♪
稼いだ分だけ、楽しみが増えていく、良い図式。
夜の自宅で、スマホに表示される「フォロワーの数」は、そのまま、あなたの人気。
ただの作業に留まらず、達成感があります。
「1周1人クリア」は相変わらず
5人のヒロインから分かる通り、『満車率300% 弐』は、周回プレイが前提。
最低でも、5周です。
前作のノウハウで、洗練されたシステム。
けれど、初回は慣れるので、精一杯。
ちゃんと、周回プレイで有利になっていくため、そこは心配いりません。
ただし、攻略する条件がシビアで、「1回で2人を攻略」という遊び方では、どちらも無理。
プレイヤーの自由度が高いものの、最終的に目指すのは、自分が狙った女のエンディング。
前述したように、「彼女が、今の問題を解決する」、または、「主人公のお触りに喜ぶだけの痴女」のどちらかです。
集団の中の孤独を描いた傑作
この同人エロゲは、都会の空気をよく再現しています。
地方から進学したか、就職した、他人の寄せ集めは、自分の居場所で困ることに……。
早朝の気だるさと深夜の開放感
3Dは、「どれだけ描写するのか?」で、クオリティが変わります。
『満車率300% 弐』は、ハイレベル。
ポリゴンで、カクカクしやすいのに、ヒロインがちゃんと、美少女、美女です。
主観視点だから、他の電車ゲーとは、段違い……。
音響も凝っていて、プラットホームの声や、電車の音、次の駅のアナウンスと、ぜひヘッドフォンで聞きたい!
エロゲだから、そもそも、つけているでしょうけど。
朝のプラットホームの、やるせなさ。
仕事が終わった後に、暗い車窓から、住宅やビルの灯りを見ながらの、移動。
どちらも、空気を感じるほどの、再現ぶり。
大勢がいるのに誰とも分かり合えない
5人のヒロインは、どいつも、終わっています。
遠からず破滅しそうな立場、あるいは、行動パターンです。
分かりやすい事例では、港区女子の「祝園 凪咲」を挙げられます。
若さを売っていて、キャッシュフローは、すでに破綻。
本人の上昇志向が強く、今は与党の国会議員の愛人であるものの……。
逆に、ホスト狂いで夜のお店で働いている、筬島 もみじは、ストレートな破滅型です。
都会を走る電車の中で、声をかけてくる人間は、ゼロ。
他人を気にする余裕はなく、誰もが自分のことだけ。
誰とも分かり合えない、「嫌になったら、すぐに切れる友人」だけが増えていく場所は、地方からは想像もできない場所。
今回の主人公も妻子持ちだが闇深
ここで、『満車率300% 弐』の主人公である、万能倉について、分析します。
彼は、どう見ても優しそうな男で、スーツ姿の出勤。
職場にはデスクが並んでいて、事務職か、外回りの営業といった雰囲気です。
問題は、自宅へ帰った後。
自宅勤務のような、整然としたワンルームが、出迎えてくれます。
妻子持ちで、「起きるのが遅いと、朝食を片づけられる」という、冷え切った関係です。
自室があることから、ファミリー向けのマンションか、戸建てと、思われます。
夫婦で寝るような雰囲気はなく、安物の家具、カーテンから、まるで独身者のよう……。
満員電車にすり潰され、自宅へ帰って、コレでは、内面に狂気を抱えて、当たり前ですね。
『闇金ウシジマくん』のサラリーマン編に登場した、小堀豊を思い出します。
上京者ばかりの都心部は砂漠
上京した人間は、行き交う人の多さと、多種多少なファッション、情報に、圧倒されます。
けれど、人の目を気にしなくて良い自由は、そのまま、誰も気にしない残酷さ。
他人に無関心である心地よさ
『満車率300% 弐』は、他人を気にしない都会を走る電車が、舞台です。
あえて、社会の弱者をクローズアップした、この作品だけに、その背景も知っておくべき!
たとえば、『上京生活録イチジョウ』の漫画は、上京した若者が、ただ流される日常。
「俺たちは、この六畳半から成り上がる!」と言いながら、ソシャゲに課金して、フリーター生活の9ヶ月。
この原因は、誰も一条たちを知らず、気にしないから……。
同じように、『満車率300% 弐』のヒロイン達も、親身になっての指摘や、面倒を見てくれる人間がいない状態。
どれだけ、破滅に向かっていようが、周りには他人事です。
自分の居場所がない恐怖
「祝園 凪咲」のように、都心への通勤圏に実家があるヒロインも。
だが、社会の底辺で、いいように翻弄され、彼女たちには居場所や、余裕がありません。
ヒロイン達にも、選択の機会はあったでしょう。
ホスト狂いの「筬島 もみじ」は別として、それ以外は、まだ方針転換で、人生をやり直せるかも?
どれだけ劣悪な職場でも、そこを辞めれば、すぐに生活できない状態へ。
色々と悩み、あるいは、外圧で目茶苦茶にされる女たちは、あなたの手技と、SNS上の話術で、また違う視点に……。
都会で、自分の居場所がない恐怖。
それは地方の人に想像できないレベルで、転落するのは、まさに一瞬。
路上や公園に隅で座っていても、通行人に無視され、声をかけるのは弱者ビジネスの手先か、役所の立ち退きだけ。
結婚していても孤独は孤独
格安で買える、有料アペンド。
その第一弾では、主人公の妻も、登場!?
このベルゼブブ様は、「アペンド単体でも、1人はクリアまで可能」という方針です。
したがって、「本編は高いし、体験版だけだと……」という方にも、オススメ!
万能倉を狂わせた、奥さん。
他人の振りをしたまま、彼女を電車内で調教する、インモラルの極地……。
わりと、離婚したほうがいいと思いますけどね、主人公は。
いや、本当に。
ハコヅメ連結パッチ
ベルゼブブ様の過去作、『HYPNOS FUCK』から、「篠座はるか」が登場。
新人の婦警も加わり、こちらのアペンドも、格安で1人だけ攻略可能!
『満車率300% 弐』は、癖が強いヒロインばかり。
腕力が強いものの、この2人で、息抜きならぬ、ヌキヌキするのも、一興です。
自信たっぷりと、辞職寸前のしょんぼり。
どちらにしても捜査員で、破滅的な女たちとは、わけが違います。
だからこそ、遣り甲斐が!?
ギリギリで普通を装う男女
都会は誘惑が多く、誰も助けてくれません。
というか、助ける振りをして、さらに搾り取ってくるまでが、お約束。
港区女子という最高にして底辺
港区女子の「祝園 凪咲」は、前述したように、詰んでいます。
最終的に、2つのエンディングを迎えるのですが……。
ぶっちゃけ、どちらも救いがないような?
ううーん。
港区女子は、ルッキズムの申し子です。
中高では一番人気か、悪くても、三番手にランクイン。
読モ、プロのモデルをやっている事例が、よくあります。
広義では、「郊外に住んでいる看護婦だけど、ギャラ飲みで集る」も、含まれますけど。
彼女たちは、見栄っぱりで、日本で金を持っている男を狙っています。
よくある、「高層のタワーマンションで、豪華なパーティー」の、パリピです。
ヤリ目の男に接するうちに、金銭感覚が狂い、唯一の若さを消費した挙句に、出禁。
「そうなる前に、誰かを捕まえる!」を達成しても、結局は、若い女を食い散らかすので。
よっぽどの胆力と、割り切りがないと、すぐに破綻する、茨の道です。
年を食った後に残るのは、都会の冷たさだけ……。
全てが消耗品にされた現代社会
現代社会は総じて、消耗するだけの構図。
港区女子は、「金持ちの男に売れるだけの性」があるだけ、よっぽどマシです。
若いうちに足抜けすれば、世間知らずの男と結婚して、自分の家庭を築ける余地がありますし……。
『満車率300% 弐』は、それを浮き彫りにした、何とも言えない空気が漂う場所。
主人公の万能倉は、狂人です。
「自己責任」という大義名分で、分断された、慣れの果て。
家族すら、簡単に離婚できる、1つの組織に過ぎません。
狂った主人公が、同じく壊れかけの女たちと交わり、一時のスリルと、快楽を得る。
もはや、正気でいることが、逆におかしいのかも?
まあ、これは同人エロゲですから、あくまで、ゲームの中の話ですが……。
心を抉るシチュで退廃的な交わり
アペンドを含めれば、『満車率300% 弐』で最も悲惨なのは、主人公です。
第三者のお触りを受け入れつつ、勝手に自己完結しますから。
とはいえ、現代社会に登場した女たちを籠絡して、開発しながらも、痴女にするプロセスは、見事の一言!
所属や、考えは違えども、ヒロイン5人は分断されていて、孤独。
主人公の万能倉も、狂っています。
退廃的な交わりは動物のようで、お互いを求めている時間だけが、彼らの慰めです。
車内と、駅の構内での、それぞれ違ったシチュエーション。
実在する駅名に限りなく近づけた、背徳的な空間は、いつでも、あなたを待っています。