ゲームには、必ず主人公がいます。
男と女のどちらかで、プレイヤーが操作することで、その分身となるのです。
今回は、同人エロゲの主人公について、ご説明します。
男向けの同人エロゲで女主人公
同人エロゲの大御所である、DLsite。
そのランキングを見たら、意外な結果に驚くでしょう。
ふと見れば「女主人公」ばかりの状態
ランキングの上位は、だいたい女主人公です。
これは、限られたリソースで作成している同人エロゲの事情も関係しています。
女を主人公にすれば、手っ取り早く作れるから。
1つのキャラクターを作るにも、イラスト、立ち絵、ドット絵と、様々な素材が必要です。
となれば、美少女、美女を選んだほうが合理的!
女主人公であれば、その同人エロゲを見てからの数分間で、とりあえず体験版をダウンロードか、購入者のレビューを読んでくれます。
色々な選択肢があるネットの通販では、第一印象が勝負です。
その意味でも、女主人公には華があります。
男主人公は、「プレイヤーが感情移入できるかどうか?」という要素が出てきます。
わざわざ苦労する必要はないため、だいたいのサークルは女主人公で作っている寸法。
主人公パーティーが女子校生だけの場合も
バトル有りのRPGで進んでいく同人エロゲでは、基本的に竿役を入れません。
彼らは、プレイヤーが望んだ場合だけ、戦闘やイベントで活躍します。
プレイヤーが目にするのは、可愛い女たち。
現代社会の異能バトルならば、女子校生が5人ぐらい並ぶのです。
この場合では、売春、敗北Hといったイベントが目立ちます。
各キャラに用意するため、1人あたりが薄くなることがネック。
ともあれ、プレイヤーに選択させることで、メリハリをつけています。
ただ、全体的には、「1人の女主人公が酷い目に遭う」といった、濃いタイプが人気ですね。
ランキング上位にも女主人公が目立つ
試しにDLsiteの上位を見た時には、「女主人公が圧倒的に強い」という状況。
いや、男主人公もいるのですが、『ゴブリンの巣穴 I’ll borne』を含めて、いいんでしょうか?
これが本当の、女の子上位。
男主人公で上位に食い込んでいる同人エロゲは、大作ばかり。
やっぱり、「それだけのボリュームが必要」ということで……。
ゲーム制作は大変で、最初の1本を作り上げられずに挫折する方も多いです。
まして、処女作というハードルがある2本目となれば、尚更。
それで、「目が肥えているユーザーに、お金と時間を出させろ」という話ですし。
同人エロゲだと、それぞれの性癖も関係してきますから、本当に難しい要求です。
ゆえに、「狙った相手の心と股間に刺さるのか?」が、問われます。
どの作風に男主人公が合うのか?
男主人公の出番は、「プレイヤーが感情移入できる物語やポジション」という時。
下記の3つが、代表的です。
誘惑されるストーリーでは男主人公の一択
逆NTRのように、「男キャラが誘惑されて、妻や彼女を裏切る話」では、男主人公が必要です。
これを女主人公にした場合は、意味不明な展開に……。
大事な人間を裏切るとは限らず、「街にいる女に、片っ端から誘惑される」という場合も多いですね。
誘惑されて、それに流されることから、基本的にM男。
プレイヤーが操作すれば、まさにホイホイと女を抱きます。
いえ。
「女に抱かれる」と言ったほうが、正しいのかも?
ともかく、「本来は貞操を守っているはずの女たちが、こぞって誘惑。しかも、自分から腰を振る」の展開は、同人エロゲならでは!
まさに受け身で、主人公の男はろくに動かず、女が必死にご奉仕。
「オカズのつまみ食い」という感覚で、多くのキャラが用意されているケースが一般的です。
催眠などの逆転モノは男主人公が似合う
「女を操作する」のように、女キャラでは不自然な状況もあります。
イジメられていた男が、催眠・洗脳の力を駆使して、復讐する物語が、まさに典型的。
現実だと、「女が女を虐める」という事例もありますが、こちらは同人エロゲなので……。
催眠は、次の項目で述べる、悪役プレイのお供でもあります。
いったん嵌まれば、その女に何でも命令して、実行させられる立場ですから。
商業のエロゲだと、山あり谷ありで、一時的なピンチや寝取られもありました。
けれど、今の同人エロゲだと、「催眠が解けて、因果応報の結末に!」とはなりません。
エロゲの鉄板でありながらも、催眠・洗脳は奥が深いです。
安易にかかるのは、味気ない。
しかし、困難すぎても、プレイする気が失せる。
抜きゲーという、Hシーンだけのエロゲもありました。
ただ、今の同人エロゲだと、「独自のシステムで楽しめる」のように、何らかのオリジナリティーが必須です。
悪役プレイの男主人公は感情移入しやすい
シンプルにして、説得力がある理由。
それは、「悪役として、やりたい放題するため」という話です。
同人エロゲは、良くも悪くも自由な空間。
それゆえ、「商業エロゲでは濃すぎるか、突っ込みすぎ」の内容も、普通に販売されています。
「娼館の経営」は、まさに代表的です。
ただし、「最初から強くて、ただ欲望の赴くままに」というよりも、「理不尽に虐げられ、その報復」といった感じ。
「プレイヤーを納得させる世界観、または、キャラクターを用意できるか?」が、問われます。
主人公は、冴えない中年男など。
シミュレーションで、「女の調教や管理をしっかり行う」の方針がよく見られます。
独自のシステムを組んでいて、商業レベルの同人エロゲが、たくさん。
なぜ女主人公が人気なのか?
女主人公であれば、プレイヤーが自由に動かせるから。
どれだけ酷い目に遭うイベントでも、彼女に拒否権はありません。
プレイヤーが自由に動かせる快感がある
主人公は、その一挙手一投足までも、プレイヤーに見られます。
風呂、着替え、自室と、あらゆる場面で視姦され、もしくは、ベッドの上でオナニーを強いられるのです。
女主人公のケースでは、だいたい女子校生。
可愛らしいヌイグルミ、本棚、学習机、ベッドがある自室に戻れば、彼女が色々なことを考えます。
そして、同人エロゲを購入したプレイヤーは神の視点だから、「何を考えているのか?」を全て知る立場。
この快感は、男主人公にはありません。
本来なら、絶対に知ることが不可能な領域。
「思春期の女子の部屋」をRPG形式などで見て、ニマニマできます。
異世界ファンタジーでも、「泊まっている宿屋の個室」のように、プライベートの空間になった時、主人公が独白、または、パーティーメンバーと話し合うことが多いです。
Hステータスで自分の調教結果を見られる
同人エロゲは、女主人公に【Hステータス】を実装しています。
人気作品を見れば、「ほぼ全てにある」と言えるほど。
作品によって名称が違うものの、「セックス経験の詳細として、初体験の相手などを明記」という点は共通。
たとえば、「初Hはゴブリンで、敗北した後に、そのまま組み伏せられた」といった具合に……。
性開発として、「口内、オッパイ、マ○コ、ア○ル」のように、それぞれの感度がデータ化されていることも一般的です。
それによって、プレイヤーの達成感を示し、段階的にHの描写が変わります。
この【Hステータス】がある場合は、女主人公が快楽墜ち、または、淫乱化する傾向。
ステータス画面の立ち絵で、最初はキリッとした表情なのに、だんだんと蕩けていき、「バックから突いて❤」と言わんばかりに、お尻を突き出しながら、物欲しそうに顔だけ振り向いているポーズへ。
こだわっている同人エロゲでは、女主人公の視点で「感想」や、『行け!! 鳴神学園オカルト研究部2』のように、「反省日記」を読める場合も……。
自然なストーリーでHイベントが発生
女主人公は、クリエイターにも優しいです。
セックスは男女の同意で始まるため、女がOKするだけで、すぐにHイベント。
そりゃ、制服を着ている女子校生が、ニコニコしながら「Hして♪」と言ってきたら、二つ返事ですよ。
テレビに出ているような美少女ですし……。
男には馴染みがない、セックス中の女の反応、心理についても、バッチリ分かります。
主観視点で繰り広げられる、「こんなH、嫌なはずなのに!」と、心が嫌がっているのに、身体は反応して、ビクンビクンと絶頂しまくり。
同人エロゲには、ラブラブHが少ないです。
暴力で無力化するか、弱みを握って、女の体を調教したほうが早いので……。
それに、わざわざ18禁の同人エロゲを買い、何が悲しくて、一般枠でも見られるイチャイチャを見なければいけないのか?
一般作品では住み分け状態
気になる一般作品は、媒体によって住み分けの状態です。
映像と音声だけのアニメでは、女主人公が席巻しています。
WEB小説の系統では男主人公が圧倒的
読者が感情移入しやすい、WEB小説。
こちらでは、主人公が大半を占めています。
最初から「俺Tueee!」か、「最初は虐げられているが、チートで大逆転!」という展開。
「若い男であれば、美少女、美女にモテるのが当然!」と言わんばかりに、どんどんヒロインが増えていきます。
ただし、人数が多すぎて、「最初に登場したヒロインが、空気になっている……」の感想もしばしば。
こちらでは、過剰な性描写を抜きにして、ヒロイン達と仲良くする必要があります。
ゆえに、「鈍感、難聴」といった、主人公を悪者にしない形での受け流しへ。
まあ、中高生向けですから……。
いっぽう、同人エロゲには、容赦がありません。
NTR、逆NTRは、挨拶代わり!
特に、男主人公たちは、雄々しく、股間の肉棒によって、女たちを躾けています。
その淫ら穴は、マン汁の最初から最後の一滴まで、男を楽しませるための存在です。
アニメなどの映像には女主人公だらけ
主に視覚で楽しむアニメは、女主人公がどんどん増えています。
昔は、「気弱だけど誠実」という少年だったものの、今では少数派。
その理由は、アニメ好きの男子がバカにされなくなったから。
まさに迫害されていた立場は、スマホの普及で一変!
何も知らない学生が、バスや電車の待ち時間で、パパッと見るための映像となりました。
かつてのオタクは、科学的な専門知識まで要求され、知らないと「そんなことも知らないの?」と同じオタクにも馬鹿にされる始末。
作品を知り尽くしているのは、当たり前!
ですが、今では「何も知らずに見て、楽しめること」が必要不可欠。
ネットには娯楽が多いため、少しでも「つまらない」「嫌だな」と感じたら、ブラウザバックです。
したがって、興味を外さないために、「いつも分かりやすい」の連続。
鬱、トラウマになる展開を引っ張らず、30分アニメ、1話の中で解決するパターンが、増えています。
不自然にHを回避しながらのハーレム
男主人公では、お色気シーンがありつつも、どのヒロインの誘惑も回避します。
中心的なヒロインとは、キスまで行いますが……。
まあ、そこまでが限界!
6人ぐらいの美少女に囲まれ、ひたすらに抱かない主人公。
ここまで来ると、健全どころか、不気味に感じるほど。
同人エロゲならば、ちゃんとHをして、何なら乱交か、3P、4Pですが……。
WEB小説では、「普通にセックスしまくり」という作品も増えていて、時代の流れを感じます。
素人が考えているだけに、プロが守っている範囲に構わず、やりたい放題です。
アニメ化した場合は、Hシーンで無関係な場所を移して、声だけで進めるパターンへ。
一般と限定版で、見せる部分を変えてくる手法も、増えてきました。
M男の作品は男主人公が多い
同人エロゲに、話を戻します。
男主人公については、M男をターゲットにした、女キャラに襲われる作品がメインです。
女上位でヤラれるM男系では男主人公のみ
商業エロゲでは珍しく、同人エロゲで多く見られるのが、ひたすらに受け身のM男のキャラ。
M男が主人公で、会う女は全て、「自分を性的に襲ってきて、満足させてくれる」という穴役。
男子高校生のような性欲を見せた女たちは、射精させるために全力を尽くします。
その性質上、主人公は最終的に負けます。
最後には全てを奪われ、悪い女たちに飼われるか、人生を棒に振るのです。
一部の商品説明に「逆転なし!」と明記しているほど、女にヤラれまくり。
その様子は、まさに「情けない」の極地です。
「ボリュームを増やしにくく、商業エロゲで避けられる分野」と言えます。
1つのブランドとして、長期シリーズにしたい会社の視点では、扱いにくいでしょう。
↓ 手段を選ばない勝負では、こういう話にもなる!
同人エロゲでは変わらずに男主人公が多い
M男としての主人公は、定期的に出ています。
同人エロゲは「3時間でクリア」ということが多く、向いているから。
DLsiteの人気ジャンルですが……。
累計ランキングの上位には、手が届きません。
「女主人公をじっくり墜としていく」
「悪い男による、メスの管理」
この2つが、よく売れている作風です。
しかし、同人エロゲとは、己の性癖を追い求めていく場。
「売れているから!」の視点だけでは、あまりに悲しすぎます。
ニッチだからこそ、挑戦することも、同人エロゲの本懐です。
商業作品では不可能な勢いとアイディア
同人エロゲは、コミケなどの即売会に出向き、直接の手売り。
でも、ネットの発達と、パソコンの普及によって、DLsiteが登場しました。
プログラミングの手間が減り、個人でもコツコツと作成できます。
そもそも、同人エロゲを制作しているサークルは、副業や趣味です。
「本業の合間に、自分の力を試す」という話だから、採算が取れないことは無関係。
これがプロだと、「これだけの工数と費用をかけた以上、最低でもこのラインは超えないと!」になりますよね?
男と女。
そのどちらが主人公でも、同人エロゲには夢があります。
高い技術力で、半年ぐらい遊べるゲームにする現代で失われてしまった、誰もが楽しみ、あるいは、作る側に回るという、当たり前の世界が……。
アマチュアだから行える、「ここまで作り込んだら、利益が出ないだろ?」というゲームが、まだDLsiteで息づいているのです。